2020年5月30日土曜日


ココロの言葉(129)

 

重要なことは、問いを発することをやめないこと

アルバート・アインシュタイン(1879-1955)

 

近代学校教育のモデルは、古代ギリシャにその起源があります。哲学者と市民が、広場でさまざまなことに問いかけをする活動をしていました。この哲学問答を通して、知の探究がなされていました。

また、東洋でも同じように、インドと中国において宗教者による問答形式で教育活動がなされていました。この問いを発するスタイルこそが、歴史的に「学び」の原点です。

そして社会の変革期のいま、正解のある問題を解くことが中心の学習から脱して、問いを発する本来の学びに戻ることが必要とされています。

 

 

2020年5月23日土曜日


ココロの言葉(128)

 

学校は、子どもたちに、

身体と脳の働き、自分の情動の理解の仕方、

情動の取り組み方を教えることができる。

ベッセル・ヴァン・デア・コーク(精神医学者)

 

トラウマ(心の傷)の治療を専門にしている研究者は、学校が子どものレジリエンスを身につけるうえで重要な役割を果たす、と述べています。レジリエンスとは、通常「回復力」と訳されていますが、教育的には、私たちが日常生活でさまざまなストレスや困難を克服して生きていく力を意味しています。

このレジリエンスの力は、学習能力を根本から支える必要不可欠な要因であることが、最近の研究からもわかってきました。この力が育っている子どもは、自分にとって必要な知識を自学自習で学んでいきます。

コロナウイルス後の社会で、学校にもっとも求められる役割になるでしょう。

(『身体はトラウマを記録する』より)

2020年5月17日日曜日


ココロの言葉(127)

 

子どもが学習する脳を保つうえで、

最も大事な要素は、身体的、情緒的、

そして学習者としての安心感である。

スチュアート・アンカー(心理学者)

 

最近の認知科学、脳科学の研究成果から、子どもの学習効果を高める要因がわかってきました。それは、安全な学習環境が生み出す「安心感」です。子どもが、「ここは、安全で安心して学習できる」と思える場所です。

この安心感は、学習内容や学習法を支える必要条件と言われています。脳にストレスを与えず、リラックスして集中できる学習環境になります。

この原理は、無料塾を支える科学的エビデンスになっています。学校と家庭に加えて、第三の場としての学習環境が子どもたちから求められています。

 

 

2020年5月10日日曜日


ココロの言葉(126)

 

むしろおれ、仕事も学校も、ある意味で、

いま枠組みが崩壊しているから、

ふだんなにかつまんなかったのか、

本当はなにがしたいのか、

ニュートラルに問いやすいときじゃないか。

絵本作家 五味太郎

 

いま世界中が、新型コロナウイルスで不安定の中で、

五味氏は「チャンス」だと子どもたちにいいます。

なぜなら、「いろんなことの本質」が露呈されているからだと。

なにかどうでもいいことで、本当に大切なことはなにかが―。

学校教育でも、このことが問われています。

もうコロナ以前の社会には戻らないでしょう。

コロナ以後の学校教育を構築していかなければならない時代を迎えています。

2020年5月3日日曜日


ココロの言葉(125)

 

現代の学校教育でもっとも深刻な問題は、

学ぶ意欲そのものが失われていることである。

河野哲也(教育哲学者)

 

いまの中学高校生の多くは、教科の点数をよくして、少しでも偏差値の高い学校に進学することを目的に勉強させられています。確かに勉強する動機付けとしてはわかりやすいのですが、本来の学びのおもしろさを味わうことがありませんので、思うように成績が上がらないと、すぐにやる気がなくなってしまいます。

この現状を変えるためには、まず、教師が学びの意味を再考する必要があります。そして、教師自身が学んでワクワクしている姿を子どもにモデルとして示すのが、最も効果的な方法でしょう。そんな教師がいる学校は、子どもにとっていい学校になります。