2018年12月26日水曜日


ココロの言葉(59)

 

全国でだいたい25万人くらいの生活保護世帯の学齢の子どもたちがいる。

だけど学習支援事業に来ている子は2万人くらいです。つまり10分の1以下です。

青砥恭(全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事)

 

文科省は、年間の登校日数が10日以内の児童生徒を「無登校」と名付けています。

現在、中学生の不登校の人数が、一学年で約4万人になり、その10%がこの無登校にあたると推定されています。つまり、約4千人×3学年ですから、中学全体で約1万2千人になります。

この子どもたちの学習保障がどのようになされているかの調査は公表されていませんのでよくわかっていませんが、基本的なリテラシー(読み書き能力)の未習得が推測されます。教育現場で働いている人は、すでにこのことを実感しています。

今後の無料塾のあり方を示唆するデータです。

2018年12月19日水曜日


ココロの言葉(57)

     

子どもが多様な体験をして、

のびのび育つ場所であってほしいと願うのは、親も教師も同じだ。

それなのに誰もが不自由を感じている。

それぞれが変わるための行動を始めなければ、

犠牲になるのは子どもたちだ。

「AERA」2018.12.10号特集記事より

 

学校での教師の「多忙さ」を示す数字が発表されました。

文科省が行った平成28年度の教員勤務実態調査によると、

「過労死ライン」とされる月80時間以上の教員は、以下です。

公立小学校 3割以上、公立中学校 6割

その対策として中央教育審議会が、今年12月に指針案で示した月45時間以上の残業をしている割合は、更に高くなっています。公立小で約8割、中学で約9割になります。

いま、教師の業務の役割分担として、民間のボランティアによる学習支援が必要とされていることがよくわかる数字です。

 

2018年12月12日水曜日


ココロの言葉(57)

 

明確な目的を持ち、

主体的に学ぶ姿勢が備われば、

一方的に教え込む教育は必要ない。

バッカーズ寺小屋塾長 小村貴志

 

ICT(情報通信技術)の導入で、いま、個々の子どもの学習支援が大きく変わろうとしています。たとえば、従来のクラス全員による集団学習から、一人一人のニーズに合った個別学習になりつつあります。この学習の方が、生徒はもちろん教師にとっても、無駄がなく効果的であるからです。

そこで、課題になることがあります。それは、教育現場(学校・塾)にいる教師の役割はなんなのかということです。

教育心理学的に、その一つの答えが、学習意欲の動機付けにあります。なぜなら、人は人によって心を動かされるからです。そのためには、教師自身が強い学びの姿勢を持っている必要があります。「学び」の原点は、「まねすること」だからです。

そんな教育サポーターでありたいものです。

 

2018年12月5日水曜日


ココロの言葉(56)

 

子どもは、自分が両親や祖父母や教師のほか、地域社会の人々から、

大切に育てられている、育てられたという実感を抱きながら日々を生きることが、

他の何事にも代えがたく大切です。

そうでなければ、自分を大切にしながら生きることができないからです。

まして、他者を大切にしながら生きることなど、まったくできないでしょう。

児童精神科医 佐々木正美(『完・子どものまなざし』より)

 

最近の日本の学校は、主要教科の学力が強調されすぎている傾向があります。

それは、教育機関としての大切な役割のひとつですが、いま、それ以上に学校に求められていることが、同世代同士の人間関係をつくりあげる環境の構築です。

このニーズは、いくつかの調査からも明らかで、学校の目的が「友達・仲間をつくると」という声に顕著に現れています。

子どもたち自身が、「大切に育てられている」という感覚がもてる学校に

どうしたらなれるか、いま大人が問われています。