2024年4月28日日曜日

ココロの言葉(333) 最終的に幸福になりたければ、 ミュージシャンは音楽をつくり、画家は絵を描き、詩人は詩をつくる。 人は、自分がなれるものにならなければならない。 この欲求を「自己実現」ということができる。 心理学者 アブラハム・マスロー(1908-1970) 私たち人間がもつポジティブな可能性を研究した心理学者の言葉です。自己実現とは、自分が本当になりたい自分になることだと。そのためには、それを実現できる環境と支援してくれるサポーターが必要であると説いています。これを「セザンヌ効果」といいます。

2024年4月21日日曜日

ココロの言葉(332) 世の中を変えるのは、若者、よそ者、バカ者。 読み人知らず いつごろ、誰が言い出したのか不明だが、真理をとらえた格言がある。 柔軟性をもつ「若者」、客観的かつ冷静に状況がみれる「よそ者」、そして常識に縛られない「バカ者」。年齢・所属・身分とは関係なく、これら三者が停滞した社会を改善していく力となることを伝えている。

2024年4月14日日曜日

ココロの言葉(331) 私たちの世界はますますデジタル化され、非人格化されているが、 人間関係を築き、信頼と親密な結びつきを確立し、 他者を理解し、共感をもって関わっていくためには、 顔と顔を合わせた交流が非常に重要であることに変わりはない。 ジョー・ナヴァロ(元FBI捜査官) 米国の国際的諜報機関であるFBIの捜査官は、だれかに伝え、それを受け取る情報のほとんどは、ノンバーバルな「しぐさ」であるという。実際に、ヒトのコミュニケーションのほとんどはバーバルな言葉によるものではなく、表情や声や姿勢などノンバーバル(非言語)であることが、さまざまな研究から実証されています。『FBI捜査官が教える「しぐさ」の実践解読辞典』から。

2024年4月7日日曜日

ココロの言葉(330) 人間はね、赤ん坊から「喜怒哀楽」の順番に感情を覚えていくんだけれど、 年を取ったり精神を病んだりすると、 「喜怒哀楽」の「楽」から順番と感情を失っていくものなんだ。 精神科医 中井久夫 長年にわたってこころの治療と回復に携わってきた精神科医の人間と人生の省察の言葉です。私たちの日々の喜び、怒り、哀しみの感情が自然な感情であり、そこから楽しみが生まれてくると語っています。『中井久夫との対話―生命、こころ、世界』から。

2024年3月31日日曜日

ココロの言葉(329) 我々がこだわるのは、世界のほんの一隅でもよいから、 実事業をもって、巨大な虚構に挑戦する良心の健在を示すことである。 万の偽りも一つの真実に敗れる。 それが次世代への本当の遺産となることを信じている。 医師 中村哲(1946-2019) アフガニスタンへの支援をしてきたペシャワール会創設者の言葉です。中村氏の活動を映画にした「荒野に希望の灯をともす」を鑑賞した女子高校生が実直な感想を述べています。 「信頼できない大人ばかりを見てきたけど、こんな信頼できる大人もいたんですね」と。 『中村哲という希望』から。

2024年3月24日日曜日

ココロの言葉(328) 思春期問題とみなされる事象の大半は、 当事者の未熟以上に、 当事者がおかれている学校や家庭といった 特異な環境に起因すると考えられる。 精神科医 斎藤環 ひきこもりなどの現代社会の臨床問題を研究している筑波大教授の斎藤氏は、いまや従来の思春期・青年期というカテゴライズは意味を失いつつあるという。生理学的な個人の発達要因よりも、その子どもがおかれた環境要因の方が大きな影響を与え、問題の起因となっていると。『こころの科学』217号から。

2024年3月17日日曜日

ココロの言葉(327) 支援は一方的ではない。 「支援者」などと偉そうな立場の私たちは、 実はいろんな形で利用者や相談者に助けてもらっている。 人は存在するだけで双方向に作用するものだ。 小林美恵子(つくろい東京ファンド) 路上生活などで支援を受けた人たちの居場所と就労の場「カフェ潮の路」を運営しているコーディネーターの言葉です。建前ではない「いのち」「人権」が尊重される社会の実現を生活困窮者支援の現場から訴えています。『家なき人のとなりで見る社会』から。

2024年3月10日日曜日

ココロの言葉(326) 人間は、いつも周りにいる5人の平均をとったような人になる。 ジム・ローム(米国の起業家) 周囲の環境、特に人物は、学習効果に大きく影響します。学習する人のそばにモデルとなるような人がいることが、学習意欲の維持と向上に役立ちます。学習支援する人の学びへの姿勢自体が、学習者への心理的な支援になるということです。

2024年3月3日日曜日

ココロの言葉(325) 私は学習の参加で教えたりなどはしない。 存分に学べるように環境を整えるだけです。 アルバート・アインシュタイン(1879-1955) 20世紀の天才物理学者の「学び」についての卓見です。学びとは、誰かから教わることではなく、自分が関心のあることを自主的に探究していくことであり、そのための環境調整が教育支援をする者の本来の役割であると。

2024年2月25日日曜日

ココロの言葉(324) 安全で安心と感じられた子どもたちが、 初めて本当の選択と挑戦ができるようになります。 副島賢和(昭和大学大学院保健医療学研究科) 大学病院で子どもの外来診察と院内学級にかかわっていて、大切と思えることが三つあり、それが[安全・安心]と[挑戦]と[希望]だと。そして,この三つは、一緒にいる仲間や伴走する支援者とのつながりによって構築されるといいます。『こころの元気+』(2022・10号)から。

2024年2月18日日曜日

ココロの言葉(323) 学びで重要なことは、 学び方の学びなのだと思います。 心理学者 今井むつみ 現代のネット社会は、膨大な情報にあふれています。また、生成AIの利用で、ヒトの脳では処理できない必要な情報を一瞬で整理してくれます。そんな時代に合って、いま求められている「学び」とは、特定の知識やスキルを習得することよりも、学び方を学ぶことだと、言語発達心理学の研究者は言います。『ことば、身体、学び』から。

2024年2月11日日曜日

ココロの言葉(322) 幸せとは、「自分の居場所」をつくること。 東野裕治(大阪府立支援学校校長) 幸せになるということは、だれか人のために役に立つ形で、自分の居場所を確立することだ、と長年支援学校でサポートしてきた校長は言う。子どもはもちろん大人も、ちょっとした自分の居場所があれば、人生いろいろとあっても、なんとかやっていけると。

2024年2月4日日曜日

ココロの言葉(321) だれでも、持っているものは与えられ、豊かになる。 「マタイによる福音書」 世界的ベストセラー『新約聖書』のイエスの有名な言葉です。ポジティブ心理学的には、人はポジティブな思い(認知)を持てばもつほど、人生全般で、より豊かになっていくと解釈できます。そこから上昇スパイラルが発生し、心の免疫システムが向上すると。

2024年1月28日日曜日

ココロの言葉(320) 人生は、与えられたものを最大限に活かすものに、 もっとも多くのことを与えてくれる。 ラリー・ハリス(米国のサイコセラピスト) この世界で私たち個人ができることは、自分の行動と注意を向ける方向だけであると、医師で心理療法家はいいます。そして、私たちが存在できるのは、このいまときだけであると。それを最大限に活かすのが、人生の質を向上させることにつながると説いています。

2024年1月21日日曜日

ココロの言葉(319) 聖者は、人生での障害を成功への足掛かりにして、 隠れた能力を目覚めさせることに活用する。 それが人を変容させる。 インド哲学ヴェーダの格言 人生、ストレスがない方が生きやすいことは確かですが、100歳以上が多く住むセンテナリアンの地域は、バリアフリーではなく、バリアが多い「バリアアリー」であることがわかっています。人生でのストレスやバリアが、健康と成長の要因であることも確かなようです。

2024年1月14日日曜日

ココロの言葉(318) 私は、苦しみが原点なのです。 イーロン・マスク EV(電気自動車)、スペースX(宇宙船)、X(ツイッター)などで、世界を大きく変える起業家の言葉です。幼少期の虐待、児童期のいじめ体験、そして社会人になってからの大失敗など壮絶な人生経験が糧になって、21世紀の科学技術のイノベーションが生まれています。自叙伝『イーロン・マスク』から。

2024年1月7日日曜日

ココロの言葉(317) 大人とは、周りの子どもたちの知性的・感情的な 成熟を支援できる人のこと。 内田樹 思想家の内田氏は、成熟した大人は、その人がいることで、周囲にいる人たちの知性が活性化し、感情が豊かになり、ものの考え方が深まるようになる存在であるという。子どもにかかわるすべての教育支援者の心得となる言葉です。

2024年1月1日月曜日

ココロの言葉(316) 「夢は正夢」 栗山英樹(2023年WBC日本代表監督) WBC(ワールド・ベイスボール・クラシック)で優勝した栗山監督の座右の銘です。そして、十代の子どもたちに「みんなが本当にやりたいことが、必ず出てくる。その思いだけは大切にしてほしい。だれもが自分の夢を実現するものすごい能力を持っているのだから、それを信じなさい」と―。(TV12チャンネル「カンブリヤ宮殿」から)