2023年7月30日日曜日

ココロの言葉(294) 苦しみから抜け出すたった1つの方法は、 他の人を喜ばすことだ。 自分に何ができるかを考え、 それを実行すればよい。 アドルフレッド・アドラー(1870―1937) 20世紀の初期に「個人心理学」の理論を提唱し、ウイーンに児童相談所を開設し、子どもの成長を支援した精神科医です。日本では「アドラー心理学」としてよく知られています。他者への配慮と貢献が、自分自身の幸せをもたらし、社会の平和にもつながることを説いています。

2023年7月23日日曜日

ココロの言葉(293) 「科学的に証明されていないことは信じない」という姿勢もとらわれです。 「科学的」とは、仮説を立てて、繰り返し実験などを通し、 そのデータを分析し、一定の結論を見いだすことですが、 この世は、分析できないことばかりではないでしょうか。 矢作直樹(東京大学名誉教授) 東大医学部の教授であり、同病院救急部集中治療部長を2016年までされていた矢作氏の言葉です。日々ひとの生死に直面していると「科学的」に説明できないことの方が多く、「自分はなにも知らない」ということを自覚する謙虚な姿勢でいたいものだと語っています。知らないことを、ないものにしないことの大切さを教えてくれます。

2023年7月16日日曜日

ココロの言葉(292) 信頼できる人に承認されてこそ、 自由に行動する勇気を持つことができる。 山下伸二『心理療法の精神史』から 私たちは、日々を人と人とのつながりで生きています。まさに漢字で「人間」と表現される存在です。そして、他者からの承認によって、自分の存在価値を確認しています。安全で、安心な人間同士のつながりが、心と魂の回復と成長に必要な要因であり、自由に生きることにつながります。

2023年7月9日日曜日

ココロの言葉(291) 穏やかな身体の状態が、 ポジティブな社会関係をつくり、 ポジティブな人間関係が、 穏やかな身体の状態をつくる。 ポリヴェーガル理論の知見 私たちの生命を維持している自律神経系は、交感神経と副交感神経で成り立っていています。副交感神経は迷走神経とつながっていて、二つのルートがあります。その働きをポリヴェーガル(多重迷走神経)理論と言います。この神経系のバランスが、心身の状態を形成しています。そして、この影響は、社会的な人間関係のつながりとも関係していることがわかってきました。つまり、個人の神経の状態と社会的なつながりは相互関係していると。

2023年7月2日日曜日

ココロの言葉(290) レジリエンスは、本来的な人間関係にかかっている。 レジリエンス研究の知見 この半世紀における心理臨床の主な研究テーマのひとつが、レジリエンスです。レジリエンスとは、「回復力」を意味し、日常生活でのさまざまな困難(トラブル)や人生での逆境(ピンチ)に対して、なんとか乗り越えていく力です。この力を形成する要因は、個人的な素質や努力よりも、人間関係によって育成されることがわかってきました。すなわち、私たちの生きていく力は、他者との信頼関係でつくられるということです。