2023年2月25日土曜日

ココロの言葉(272) 絵を描く人は、見えないものを見ようとし、 作曲をする人は、聴こえない者を聴こうとする。 音楽家 武満徹(1930―1996) 武満氏のこの言葉は、藝術とはなにかについて、その本質を表現しています。これと同じことが、教育についてもいえます。すなわち、教育をする人は、子どもの中にある見えないものを見ようと、聴こえない声を聴こうとすると―。いま、そんな藝術的な教育が求められています。

2023年2月19日日曜日

ココロの言葉(271) 個人の権利や尊厳に配慮した姿勢は、 それ自体が治療的である。 精神医学者 中井久夫(1934-2022) この心のケアを尊重した中井氏の言葉は、そのまま教育にも当てはまります。すなわち、一人ひとりの子どもの人権を尊重し、対等な関係で向き合うことは、それだけで教育的であると。なにをするかよりも、いかに向き合うかが、対人関係で大切であることを示唆しています。

2023年2月12日日曜日

ココロの言葉(270) 『世界価値評価』(2917~2022)によれば、 幸福度が高い国や地域ほど、 人生の選択の自由度が高い傾向がある。 聖路加国際大学大学院教授 中山和弘 中山和弘博士の研究によると、日本の幸福度は世界88カ国の中で、下からニ番目の86番目になる。その低い原因は、日本人の意思決定力の苦手さにあるという。それは、自分のことは自分で選ぶ権利と尊厳をもち、生きていくスキルです。いま、ポストコロナの社会において、日本人に求められているものでしょう。

2023年2月5日日曜日

ココロの言葉(269) そばにいることがひとつ、 そばにいないことがひとつ ケアメソッドの知見(『豊かな老いを支えるやさしさのケアメソッド』より) 「人生の最期をいかに豊かに過ごす」という課題に日々向き合っている施設の利用者とスタッフから見出された言葉です。他者との距離が、人と人との心身の健康と安心にいかに大切かを教えてくれます。子どもとの対応はもちろん、日常の人間関係にも役立つ知見です。