2018年11月28日水曜日


ココロの言葉(55)

 

日本の教師の多くは、外国の教育を知らずに

「日本の教育は進んでいる、素晴らしい」と考えている。

それは、もう数十年前のことで、今や、

この遅れを取り戻せるのかというくらい突き放されてしまった。

TOSS代表 向山洋一(2018.11.28 産経新聞「オピニオン」)

 

世界の学校教育の視察から見えてくることの一つが、日本の学校教育の停滞です。

さまざまな問題を抱えながら「進んでいる」と思い込んでいるので、教育現場では、

ただ現状維持をしている状態です。

特に、STEM教育といわれる科学・技術・工学・数学の分野の教育でその遅れが目立ちます。授業で原理や法則だけを教えてテストしているだけで、その体験がないので、子どもにとって意味のある学びになっていません。

すなわち、世界的に日本の教師の技能と勤勉さは高いのですが、それが教育実践に活かされていないところに課題が見られます。

この問題解決に、何らかの形で無料塾が貢献できればと思います。

 

2018年11月21日水曜日


ココロの言葉(54)

 

「気づき」が起こると、人は自然と変わります。

他人から言われた言葉ではなく、

自分から湧いてくる答えなので、

そのエネルギーは他人に言われた指示やアドバイスの比ではなく、

自分を突き動かす力になっていくのです。

鮎川詢裕子(『最高のリーダーほど教えない』より)

 

自分に合った学習法に気づけば、子どもたちは自主的に学んでいきます。

これは、効果的な教授法の原理です。

勉強が嫌いになる子どもたちの多くは、やり方がわからなくなって、

どうしていいか困っているのです。

他者の反応に気にすることなく、自然体で学べる教育環境を提供することが

教育心理学的にも、最適な学習支援になるでしょう。

2018年11月14日水曜日


ココロの言葉(53)

 

人と関わりをもちながら、

他者のなかに自分を見つける楽しさを知ってほしい。

そこに新しい時代の信頼と学びの場が

開かれるのではないだろうか。

山極寿一(霊長類学者『ゴリラの警告』より)

 

いま、ITの普及により、学校教育が大きく変わりつつあります。

教科書は、近いうちに基本的に「電子版」になるでしょう。

それに伴い教授法も変わっていきます。

そこで大事になるのが、生徒と教師の知識以前の人間的な関わりです。

AIにはできないなにかが、学びの場で必要になってきます。

その一つが、霊長類学者がいう「他者のなかに自分を見つける楽しさ」

であるのかもしれません。

2018年11月7日水曜日


ココロの言葉(52)

 

できないことを繰り返し訓練するとき、

子どもは「できない」という経験を学んでいます。

アナット・バニエル(『限界を越える子どもたち』より)

 

日本の学校教育には、いまでも「根性論」がはびこっています。

「できないこと」をできるようにさせることが教育の主な役割だと考えています。これまでは、このやり方で成長する子も確かにいましたが、いまの子どもたちの多くには、成長につながる適切なアプローチになっていません。

すなわち、自分が「できない」ことを学習してしまっています。

脳科学の研究からも、一人一人の子どもの「できること」「したいこと」に働きかけた方が効率的であることが実証されています。

いま、学校教育が大きく変わらなければならない時期にあります。