2018年4月25日水曜日


ココロの言葉(25)

 

10代の脳の最大の特徴は、

脳領域間のネットワークを変更することによって、

環境に応じて変化することだ。

この可変性、つまり「可塑性」は両刃の刃だ。

児童精神医学者 J.ギード

 

思春期には、体はもちろん脳の構造と機能にも大きな変化が起こります。このプロセスが最近の研究でわかってきました。

その一つの成果が、思春期の脳は、適応性と脆弱性の二面性併せ持つことです。そのために、ブレーキが効かず危険行動に走りやすくなる傾向があります。それは、感情を司る大脳辺縁系と衝動行動を抑制する前頭前野の発達のミスマッチによります

私たちの大脳辺縁系は、思春期に急激に発達しますが、前頭前皮質の成熟は20代前半の24歳頃であることが判明しました。すなわち、思春期とその後の青年期は、脳の中で両者の最適化が成される不安定な時期であるということです。

この脳の発達についての理解は、思春期の子どもたちの健全な成長サポートするときに重要なポイントになります。すなわち、脳の最適化の行動に冷静に依りそうという視点です。

2018年4月15日日曜日


ココロの言葉(24)

 

ほんとうに生きている、という感じをもつためには、

生の流れがあまりになめらかであるよりは

そこに多少の抵抗感が必要であった。

したがって生きるのに努力を要する時間、

生きるのが苦しい時間の方がかえって

生存充実感を強めることが少なくない。

ただしその際、時間は未来に向かって

開かれていなければならない。

神谷美恵子(1914-1979)『生きがいについて』より

 

これは、学校推薦図書として、また社会人の読むべき推薦図書として毎年紹介される精神科医の神谷美恵子著『生きがいについて』に書かれている言葉です。

このことは「勉強」についてもほとんどおなじことが言えるように思えます。すなわち、自分が学習している内容に努力が必要で、ちょっと大変な感じの課題に取り組んでいる方が、学びの充実感を得られるということです。

そして、その努力が自分の成長につながることを確信することが大切です。それによって未来に向かって開かれていきます。

2018年4月8日日曜日


コロの言葉(23)

 

「祖父と孫との対話」

祖父:私の中で二匹の狼が闘っているのだ。

一匹は、愛と平和の狼で、もう一匹は怒りと戦争の狼だ。

孫:どっちが勝つの?

祖父:エサをやった方さ。

アメリカ先住民の逸話

 

私たち人間の心は二面性を持っています。心理学的には、ポジティブ思考とネガティブ思考です。キリスト教的に言えば、天使の心と悪魔の心になります。そのどちらになるかは、自分の思考と信念に大きく影響されます。そして、重要なことは自分自身が選べるということです。つまり、どちらにエサを与えるかです。

このことを学校教育で言えば、勉強したい自分とさぼりたい自分になります。では、どうすれば前者の自分にエサを与えられるか。

心理学的にいろいろなやり方がありますが、その一つが環境調整です。簡単に言えば、勉強しやすい学習環境が整った場所に行くことです。それが図書館です。本無料塾が図書館を使う理由の一つです。気軽に利用してください。