2023年1月29日日曜日

ココロの言葉(268) フレンドシップ・リセッション;身の回りに親友と呼べる友人がいない人たちが増加していること。友情関係が減退している現象を意味する造語。 先進国では、特に米国と英国で、この現象が2000年代になって増大しています。2022年米国では、成人男性では15%、女性では10%、また英国では、約20%の大人が「親友がいない」という調査結果が出ています。現代社会の孤立化が深まっていることが可視化されました。実際、私たちヒトにとって他者との親密なつながりは、適切な体重よりも、禁煙よりも、心身の健康(ウエルビーイング)にとって必要な要因であるとされています。

2023年1月22日日曜日

ココロの言葉(267) 不登校やゲームへの熱中、リストカットや過剰服薬を 単に問題行動と見なすだけではなく、 子どもの自己救済の試みという可能性を想像できる大人は、 果たしてどれだけいるのか。 松本俊彦(国立精神神経医療研究センター精神保健研究所) 最近、困っていて、だれかの助けが必要な状況なのに、「助けて」と言えない状況が、子どもにも大人にもしばしば起きています。「困っている。助けて」と相手にいったりするのは、恥ずかしいことであり、迷惑をかけてしまうことになると。同じことが学習場面でもよく見かけます。正直に「わからない」といえないケースが―。いま、素直に弱音を吐ける関係が求められています。(『こころの科学』2022・11月号より

2023年1月15日日曜日

ココロの言葉(266) 他人を頼ることができる人は、そうではない人に比べて、 健康で、幸福で、裕福であり、 さらに子どもの学校では成績もよく、 地域では、反社会的な行為による被害も少ない。 「社会関係資本」研究の知見 地域で他者とのつながりがある人たちは、教育、経済、健康、治安の面で、関係を持たない人たちに比べて、生活が良好(ウエルビーイング)であることがわかっています。それが、子どもたちの学習形成に大きな影響を与えます。社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)として、地域でのつながりが、いかに大切かを示しています。(ジョン・フィールド『社会関係資本』より)

2023年1月8日日曜日

ココロの言葉(265) 自立は、依存先を増やすこと。 熊谷晋一郎(東大先端科学技術センター) 東大先端科学技術研究センターでの当事者研究から判明した知見です。世間では、依存する対象が少なくなることが「自立」だと思われています。しかし実際は、社会的に自立している人は、たくさんの依存先があり、相互依存で生きていることがわかりました。逆に、依存症という病気の人は、例えばアルコールやギャンブルのように依存対象が一つになって、生活が破綻する傾向があります。いろんな人とつながり、依存できることが、本当の社会的な自立なのでしょう。

2023年1月1日日曜日

ココロの言葉(264) 人生における最大の後悔とは、 なにかバカなことをしてしまったということではなく、 なにかをするチャンスを逃したことだ。 馬渕睦夫(1946年生、元ウクライナ大使) 現在、YouTube「ひとりがたり」で人気を集めている馬渕氏が、人生訓として伝えられている言葉を紹介したものです。だれのための教育なのかよくわからなくなっている日本の学校教育を子どもの魂の進化のために改革していくのに役立つメッセージです。『道標(みちしるべ)』より。2023年元旦