2019年5月29日水曜日


ココロの言葉(81)

 

マララがこれほど特別で勇敢で落ち着いているのは、なぜでしょう?

私に何をしたかを尋ねるのはよしてください。

私は、彼女の翼を折らなかった。それがすべてです。

マララ・ユフスザイの父の言葉

 

2014年ノーベル平和賞を史上最年少で受賞したマララの父親であるジアウディンさんが、

たくさんのマスコミの会見でよく聞かれた質問に応えたメッセージです。

銃で撃たれ瀕死の状態から回復し、その後も世界に平和と教育の大切さを訴え続けている娘の育て方をだれもが知りたいと思います。

その答えは「翼を折らなかった」です。シンプルでだれもができる方法です。健全な子育ての本質的な要因でしょう。

 

2019年5月22日水曜日


ココロの言葉(80)

 

知能は生まれつきのものではなく、

挑戦し続けること、努力によって、

いくらでものばすことができる。

スタンフォード大学 キャロル・デウエック博士

 

心理学で「知能(インテリジェンス)」とは、環境に適応し、新しい問題に対処する能力を意味します。私たちの知能は、先天的な影響も受けますが、後天的な環境によってかなり変動がみられることが、最近の研究でわかってきました。

知能も筋肉と同様に生涯にわたって、自分で鍛えれば向上することが証明されています。すなわち、知能は生まれつき固定されたものではなく、後天的なものであり、努力によって変えられるということです。

その努力の核のなる要因が、「グリット」と呼ばれる「やり続ける力」です。能力開発はもちろん、人生の質を高める大切な要因になります。いま学校教育で、その育成が求められています。

2019年5月15日水曜日


ココロの言葉(79)

 

逆境:思うようにならず苦労の多い境遇(広辞苑)

  不運が重なって多くの問題に直面している状況(オックスフォード英語辞典)

 

人生で逆境に遭遇した時、人は、どのような影響を受けるかを調べたシカゴ大学のサルバトール・マッディ教授の研究があります。その結果は、二つのグループに分かれました。

ひとつは、逆境のネガティブな影響を受けて、健康や生活が低下したタイプです。もう一つは、その影響を受けなかったタイプです。

そして、後者の方には三つの心理学的な要因が見られました。

1)コミットメント:出来事に積極的に関わる姿勢

2)コントロール:状況に働きかける姿勢

3)チャレンジ:状況をチャンスに変える姿勢

以上の三つの要因は、逆境にあっても、それをバネにして心折れることなく、

健康と生活を維持し、さらに人間的な成長をもたらしてくれることがわかりました。

2019年5月1日水曜日


ココロの言葉(77)

 

教員のため、校長のため、組織のための学校をつくっていては、

すべての子どもの学習権を保障できないだけではなく、

すべての子どもの命さえもまもることができません。

このことを周りの大人が自覚することから始めなければならない

と強く感じる今です。

木村泰子(「みんなの学校」大空小学校初代校長)

 

最近、木村先生と同じ感想を多くのスクールカウンセラーから聞きます。

学校教育が、一人ひとりの子どもたちのために運営されていないのではないか?

そんなことをカウンセリングの面接ではもちろん、日々の子どもたちとのなにげない雑談でも感じる今日この頃です。