2019年4月24日水曜日


ココロの言葉(76)

 

さまざまなリスクを抱えるテーンエイジャーを人生の危機から守った要因は、

保護者、教師、メンター(相談相手)との良好な結びつきであった。

アメリカの「青年の健康に関する長期調査」の結果

 

この青年の健康調査は、全国で1万2000人以上を対象にし、数十年にわたって追究しました。そこでわかったことは、人生での逆境にあって、それを乗り越えた一番の要因は、信頼できる人間関係であったことです。

また、その他同様の調査研究でも、このことが確認されています。すなわち、他者によるサポートが、トラブルを克服し、社会で健全に生きていく支えになったということです。

子どもたちの学習についても良好な人間関係が、一人ひとりの学力向上につながることは確かでしょう。

2019年4月17日水曜日


ココロの言葉(75)

 

慢性ストレスに見舞われたときに、

適切な対処法ができる子どもは、

どうやって安全な場所に避難して、

そこでどのように過ごすかを知っている。

臨床心理学者 メグ・ジェイ

 

この言葉は、子ども時代の人生での逆境を後こえて、

その後社会の中で成功しているサバイバーの研究から明らかになったことです。

人は自分の力ではどうにもならなくなったとき、現状から離れて

「距離を置く」という対処法は、自分の安全を保つためにできる最も基本的な能力です。

子どもにとって「いい学校」とは、そんな逃げ場、安全地帯がある環境教育であり、

その中で特に信頼できる人間関係があることが重要でしょう。

2019年4月11日木曜日


ココロの言葉(74)

 

自然環境が豊かであるほど、生物の多様性は守られます。

つまり、多様であることは豊かさの証拠なのです。

ヒトの性の在り方も様々です。

その多様性が守られ、受け入れられる社会こそ、

真に豊かな社会でしょう。

生物学者 黒岩麻里

 

「多様性」は、これからの未来社会を考えるキーワードになっています。

学校教育の世界でも、子どもたちの多様性にどのように対応していくかが、

現在の大きな課題になっています。

自分と違うタイプの人が近くにいると、人は新たな視点の追究をして、考え方が変わっていくことが行動科学の研究で明らかになっています。この変化を子どもの成長のために支援するのが、これからの学校教育の役割なっていくでしょう。

画一的な従来の集団指導ではない方法で、いかに集団の中で一人ひとりの学校生活を

豊かにするがいま問われています。

2019年4月4日木曜日


ココロの言葉(73)

 

よい人間関係というのは、どんな人との関係であっても、

相手に与えているものと相手から与えられているものを、

双方が等しい価値と認識し、実感している。

精神分析家 E・H・エリクソン

 

人間のアイデンティティとライフ・サイクルの理論を構築したエリクソンの言葉です。

このことは、学習支援する人と支援を受ける子どもとの関係にも当てはまります。

お互いが人間として対等であるときに、支援する人とそれを受ける人の「等しい価値」が実感されます。特に、ボランティアでの関係では、これが深まる傾向が見られます。そこにボランティア活動の醍醐味があります。

ここに学習支援ボランティア事業のもう一つの意義が見えてきます。