2020年3月31日火曜日


ココロの言葉(120)

 

「ものを習う」というのは、「知っている人間」から「やり方」の説明を聞き、

それを自分なりに受け入れ、与えられた課題に応用してみて、

うまくいかないときはどこがちがっていたのかを指導してもらう、

とう対話的、双方向的なコミュニケーションをおこなうという、ただそれだけのことです。

内田樹(シリーズ『道徳を考える』より)

 

現代の思想家である内田氏は、このように学習支援について明確に述べています。

「学力」とは、自ら学ぶ力であり、試験の点数や偏差値ではないと。そして、その学ぶ力を構成する条件を三つ挙げています。

「学びたいんです。先生教えてください。お願いします」すなわち、自分がわからないことを知り、メンターである人物を見つけ、教えてもらえるようにするということです。

無料塾での学習支援の意義をシンプルに語っています。

 

2020年3月17日火曜日


ココロの言葉(119)

 

日本の教育は、はじめからあまり思考させないシステムになっています。

口では「みんな、自分で考える人間になってほしい」と言います。

実際はそうなっていません。

アルボムレ・スマナサーラ長老

 

スリランカでの子どもたちへの教育実践と大学での教授経験がある長老は、日本の教育の問題点を明確に指摘しています。無料塾での子どもたちの勉強を見ていると、全く同じ印象を持ちます。

特に、五教科の副教材として配布されているワークブックは、テレビのクイズ番組とほとんど同じ内容で、ただ穴埋めの「正解」だけが求められています。それを黙々と解いている姿をみると、「自分で考える」ことがないがしろにされていると感じます。

いま、子どもたちに学びのおもしろさを体験できる学習支援が求められているように思います。

 

2020年3月5日木曜日


ココロの言葉(118)

 

みんなのなかでもしかしたら、

人にはいえない困っていることを抱えているお友だちがいるかもしれないけど、

ぜひ勇気を出して「困っているんだ」ということを

伝える練習をしてみてくださいね。

小児科医 熊谷晋一郎(『小児科の先生が車椅子だったら』から)

 

最近の中高校生を見ていると、明らかに困っているようにみえるのに、

だれにも助けを求めない傾向があります。身近なひとに、ちょっと支援を求めればいいのにと思える場面がよくあります。そのような場面は、生活面だけではなく、学習の場面でもよく見られます。

「困ったとき」「わからないとき」に信頼できる身近な人に支援を求めたり、相談したりできる力がいま子どもたちに必要とされています。