2017年8月17日木曜日


ココロの言葉(9)

 

不登校は、「いのちの非常口」です。

心理カウンセラー 内田良子

 

 日本では、学校の休み明けに、たくさんの十代の子どもたちが、自らいのちを絶っています。内閣府の集計による過去42年間(1972~2013)の18歳以下の日別自殺者数をみると、毎年9月1日にその人数が最大になっています。この日は通常、二学期が始まる日です。次に多い月は、4月の初旬です。言うまでもなく春の新学年の時期です。

 この4月と9月に、「学校を休むのはいけないこと」「自分は生きる価値がない」と自分を責めて、各月で100人前後の子どもたちが死を選んでいます。ここには、自殺未遂の人数は含まれていません。この人数も加えたらかなりの人数になることが推定されます。

 すべての子どもたちに「学校を休む権利」があります。これは、「児童の権利に関する条約」で国際的に保障されています。日本は、1994年に批准し、その5月から発行されています。一般的に「子どもの権利条約」と呼ばれています。

 そこで、周囲の大人たちができることは、「学校を休む権利」があることを理解することです。そして、そのスタンスで子どもたちに対応することです。そうすることで、子どもたちが責められることなく、気持ちが少し楽になり、どうすればいいかを冷静に検討できます。登校するか休むか、または別な方法か、さまざまな選択肢があることがみえてくるでしょう。

 あまり無理しないで、ゆっくり休むことも自分の権利だとわかるだけで、若いいのちを守ることができます。

 

 

 

 

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