2017年10月15日日曜日


ココロの言葉(13)

 

エビデンスに基づいていたら、

10年遅れになりかねない。

三好泰樹『介護のススメ』より

 

いま学校臨床の現場では、大きな変化が見られます。その一つの兆しが子どもたちの「多様性」です。

このために、従来の集団による一斉授業に限界がきています。特に、英数国という主要教科にそれが現れています。かつても個人の能力の差はありましたが、なんとか授業が成立してきました。しかし、いまは能力差だけの問題ではない要因が出てきて、授業が機能不全状態を起しています。

そのことに気づいている教師がどのくらいいるでしょうか。生徒は、無意識ではすでに実感していますが、どう訴えていいかわからない状態です。

 学校はいま、一人一人の多様な個性にいかに応えていくかが試されているのでしょう。

 

2017年9月13日水曜日


ココロの言葉(12)

 

人生を幸せにするのは、なにか?

それは、よい人間関係であることが、

75年間の研究でわかりました。

心理学者 ロバート・ウオールディンガー

 

ハーバード大学の長期75年間に及ぶ成人発達研究によると、「幸福」な人たちには、3つの要因が見られたといいます。それは以下です。

1)良好な人間関係:人生での苦難を緩和してくれる

2)心身の健康維持:ストレスと加齢を緩和する

3)脳の保護:記憶障害の予防につながる

これらの基本となっているのが第1の要因の「よい人間関係」です。その影響で二番目と三番目の要因が形成されます。すなわち、いい人生は、人間関係で築かれるということです。

 この研究調査からわかることは、人間存在とは、漢字の意字義通りに「人と人との間」であることです。そして、私たちの「学び」も、実は人間関係が大きな影響を与えることに気づかせてくれます。

 

 

2017年9月6日水曜日


ココロの言葉(11)

 

私たちは、人生をすっかり変えなければ、

幸せになれない、健康になれない、あれもこれもできない、

と思い込んでしまいます。

しかし、マインドセット(*)の科学が証明していることが、逆の方法です。

まずは、自分の考え方を変えれば、望んでいるような変化が、

つぎつぎと起こり始めるのです。

健康心理学者 ケリー・マクゴニカル

 

「マインドセット」とは、自分の中にある思い込みのことです。すなわち、自分の価値観を反映した中心的な信念を意味します。たとえば、「ものごとは、こういうものだ」「こういときは、こうしなければならない」といった考え方です。

 私たちは、他者や社会を変えることはできませんが、自分自身を変えることは、自由にできます。この原理は、自分の能力にも当てはまります。たとえば、「できる」と思えば、それができる可能性が高まりますが、「できない」と思えば、逆に低くなります。

 すなわち、ものごとについて、どう考えるかによって、ものごとから受ける影響は変化するのです。ポジティブに考えれば、ポジティブになり、その反対にネガティブに考えれば、その結果はネガティブになる傾向があります。

 この心理学的発見は、学習効果を高めるのに利用できます。成績を上げるために必要なのは、「やればできる」と思えるようになることです。そんな学習支援をしていきたいと思います。

 

2017年8月30日水曜日


ココロの言葉(10)

 

「学校なんか行かなくてもいい」という言葉は非常に大切だし、真理でもある。

                      曽野綾子「透明な歳月の光」より

 

 現在日本では、学習の場は、公の学校と民間の学習塾に限られていますが、もっとさまざまな学習の場が必要とされています。その背景にいまの子どもたちの多様性が考えられます。学校臨床で子どもたちの支援をしている教育関係者の多くが、このことを実感しています。

 実際、いまの集団教育を柱とした学校の教育活動の限界に対して、多くの子どもたちが息苦しさを感じ、悲鳴を上げています。この傾向は、「発達」の特性を持った子どもたちに顕著に表れています。現在公立学校では、特別支援教育という形で学習支援がなされていますが、あまりに不十分な状態です。

 いまの学校教育にはなじめず、不適応を起こしているが、「学びたい」と思っている子どもたちの真のニーズに応えるサポートが求められています。そんな可能性を無料塾というなんの制約もないボランティアの教育活動で探っていけたらと思います。

2017年8月17日木曜日


ココロの言葉(9)

 

不登校は、「いのちの非常口」です。

心理カウンセラー 内田良子

 

 日本では、学校の休み明けに、たくさんの十代の子どもたちが、自らいのちを絶っています。内閣府の集計による過去42年間(1972~2013)の18歳以下の日別自殺者数をみると、毎年9月1日にその人数が最大になっています。この日は通常、二学期が始まる日です。次に多い月は、4月の初旬です。言うまでもなく春の新学年の時期です。

 この4月と9月に、「学校を休むのはいけないこと」「自分は生きる価値がない」と自分を責めて、各月で100人前後の子どもたちが死を選んでいます。ここには、自殺未遂の人数は含まれていません。この人数も加えたらかなりの人数になることが推定されます。

 すべての子どもたちに「学校を休む権利」があります。これは、「児童の権利に関する条約」で国際的に保障されています。日本は、1994年に批准し、その5月から発行されています。一般的に「子どもの権利条約」と呼ばれています。

 そこで、周囲の大人たちができることは、「学校を休む権利」があることを理解することです。そして、そのスタンスで子どもたちに対応することです。そうすることで、子どもたちが責められることなく、気持ちが少し楽になり、どうすればいいかを冷静に検討できます。登校するか休むか、または別な方法か、さまざまな選択肢があることがみえてくるでしょう。

 あまり無理しないで、ゆっくり休むことも自分の権利だとわかるだけで、若いいのちを守ることができます。

 

 

 

 

2017年7月23日日曜日


ココロの言葉(8)

 

人生にどんな状況が訪れるかを決められないが、

どのような態度で向き合うかを決めることができる。

インド哲学ヴェーダの教え

 

いま日本の社会では、貧困格差が話題になっています。政府も「子どもの貧困対策推進法」を施行しています。確かに経済的な貧困は、生活の質を低下させますが、それがイコール精神的な貧困を意味しません。子どもたちをサポートする上で、このことはとても大事なポイントになります。

私たちは、通常第三者にお金の支援をすることはできませんが、精神的な支援をすることは、その意思があれば誰でもできます。

無料塾での学習支援もその一手段と考えています。

2017年7月10日月曜日


ココロ(7)

 

ものごとについてどう考えるかによって、

そのことから受ける影響は変わる。

最近の認知科学研究の成果から

 

学校で思春期の子どもたちの姿を見ていると、ストレスがあまりなく順風に見える生徒よりも、ストレスをかかえて逆風を生きている生徒の方が、たくましく大人に見えることがしばしばあります。そのような生徒のカウンセリングをしていると、その生徒が直面するストレス状況にチャレンジして逆境を乗り越えていこうとする姿勢に心打たれます。

人生で避けられないストレス状況にチャレンジしている成長していく子どもたちにかかわり、サポートできることに教育実践の醍醐味を感じます。