2021年12月26日日曜日

ココロの言葉(211) 人は模倣して進化する フィオナ・マーデン(神経科学者) 「学び」の基本的モデルが、「まねる」こと、つまり模倣であることが神経科学の研究でわかってきました。脳のミラーニューロンによるミラーリングによって、学習がなされるということです。人と接触し、つながり、信頼関係をつくることで、私たちは学んでいきます。そして、これがミラーニューロンを活性化し、学習効果を向上させ、人類の進化につながったと―.

2021年12月19日日曜日

ココロの言葉(210) 教育は脳外科のメスよりも はるかに複雑に脳を変化させる 心理学者 カーク・オルソン 子どもの脳に与える影響は、教科による認知学習がメインだと考えられてきましたが、最近の研究では、それ以上に集団生活による社会的な学習が大きく影響していることがわかってきました。すなわち、リモートではないリアルな人間関係が、脳の成長に重要で、子どもの能力の最適化につながるということです。

2021年12月12日日曜日

ココロの言葉(209) 最も責任が重く、最もやりがいがあり、 そのうえ、自分自身に忠実であるという意味において、 最も立派な行為とは、あなたの才能に備わっている強みの可能性に向き合い、 それを実現することである。 バッキンガム&クリフトン『さあ、才能に目覚めよう』より 学習支援という活動は、子どもはもちろんのこと、支援するサポーターにも、自分が備えている強み(ストレングス)を実現する機会になります。まさにウィンウィンの関係です。そんな対等な人間関係が、いま学びの場で求められています。

2021年12月5日日曜日

ココロの言葉(208) ストレングス・スイッチ:自分の弱点から強みへスイッチを入れ替える ポジティブ心理学の概念 これまでの学校教育は、どちらかと言うと子どもの「できない」部分を育てようとしてきましたが、その逆にその子が「できる」ところを支援する方が、学習効果が高いことが、最新の研究でわかってきました。つまり、不得意なことではなく、得意な能力を伸ばすアプローチです。それが、弱点から強み(ストレングス)へのスイッチの入れ替えです。

2021年11月28日日曜日

ココロの言葉(207) 人間という動物の不幸は、こころとからだが離れているということなの。 こころは迷うけど、からだはそう迷わない。 だから、その人のからだが欲していることが何であるかを見つけて、 その機会を提供することから始めるのが、 人をサポートするときのコツです。 精神科医 神田橋條治 現代の心理臨床におけるマスターセラピスト(モデルとなる精神療法の専門家)といわれる神田橋氏の名言です。この言葉は、学習支援の場でも効果的な働きをします。子どもの身体を支援することで、自然なかたちで学習意欲につなげることができます。『神田橋條治スクールカウンセラーへの助言100』より。

2021年11月21日日曜日

ココロの言葉(206) はげあたま:働いて、元気になる。 明るく、楽しく、前向きに。 仕事と学習のモットー 誰が創作したのか不明ですが、最近よく耳にする格言です。高齢者の働く姿勢について語られたものですが、そのまま子どもたちの学習にも使えるメッセージです。 明るく、楽しく、前向きに勉強して、元気になる。それが、子どもにとっての仕事となる学びの効用でしょう。そんな学習支援になりますように。

2021年11月14日日曜日

ココロの言葉(205) 人間のコミュニケーションの80%以上は、言葉で行なわれていない。 言葉で表現されるメッセージは、相手に伝わる情報の7%に過ぎない。 心理学者 ジェラルド・ザルツマン 私たちは通常、人とのコミュニケーションは言葉でしていると思っていますが、実際は言葉にならないその他の感覚を無意識で感知していることが、知覚の研究で実証されています。このことからも他者との交流や対話は、リアルな対面ですることがいかに大切かがわかります。そして、子どもへの学習支援で大事なことはなにかを教えてくれる知見で

2021年11月7日日曜日

ココロの言葉(204) 近代教育制度として当然視されていた 「一か所に多くの子ども、若者を集め、一斉指導をしていく」 学校教育のかたちは、もっとも三密の度合いが高いわけで、 新しい教育のかたちが模索されています。 奥地圭子(元全国フリースクールネットワーク代表) 文科省の調査によると、2020年度の不登校の小中学生は、約20万人、そして高校生は、約4万数千人で、高校生全体の100人に1人、中退者は全体の1%で約3万5千人になります。 少子化の社会で、この数字はかなり高いと言えます。しかも、その多くの子どもが、家に閉じこもっているという実体があります。いま、在宅で公的に適切な支援が受けられるシステム(受け皿)が求められています。

2021年10月31日日曜日

ココロの言葉(203) 最大の自傷行為は、助けを求めないということ。 精神科医 松本俊彦(国立精神神経医療センター) 日本には、人に助けを求めることが「恥」と感じる文化があります。これが影響しているためか、思春期の子どもたちが困っているときに、助けを求めない傾向が教育臨床の場でもよく見かけます。「相談するなんてかっこ悪い」または「迷惑を掛ける」と。  困っている時は、信頼できる大人に助けを求めていい、その理解と力がいま子どもたちに最も必要とされるものかもしれません.「困っているので、助けてくれ」と―.

2021年10月24日日曜日

ココロの言葉(202) ひとり一人が自律し、自分らしくありえて、 生活の上でじりつしていること。 フィンランド学校教育の目的 これまでの学校教育は、「なにを学習したか」が重要視されてきましたが、これからは、学習したことを糧として、自分は「なにができるか」が問われます。 そして、自分の人生を自分で創造していく能力が必要となってきます。そのための公正な教育実践が、学校に求められています。

2021年10月17日日曜日

ココロの言葉(201) 知らなかったことを知り、 違う考え方があることに気づく、 これを「自由になる」と言う。 プレディみかこ(ライター) 「自由」の考え方は、時代や文化により多種多様ありますが、現代の学校教育の視点から言えば、学びによって、子どもがより自由になることでしょう。いままで知らなかったことを知ることで、新しい世界が開かれ、自分と異なる他者と触れることで、人間の多様性に気づきます。こんな視点での学習支援が、いま求められています。

2021年10月10日日曜日

ココロの言葉(200) 子どもに関することが行なわれる時は、 「子どもにとって最もよいこと」を第一に考えます。 国際『子どもの権利条約』(子どもの最善の利益)より 家庭や学校以外で、安全で安心できる場が、いま子どもたちから求められています。 「サードプレイス」といわれる第三の居場所です。親でも教師でもない信頼できる第三者がいて、適切な助言などのサポートがなされます。特に思春期・青年期では、このような人物との出会いは、子どもたちのその後の人生に大きな影響を与えます。 全国各地に広がっている無料塾が、サードプレイスとしての居場所になりますように。

2021年10月3日日曜日

ココロの言葉(199) 人とのつながり、信頼、接触は、 学んだり、模倣したりするための土台となる 三つの基本要因である。 心理学者 ローデス/デュボアス 私たちの学びは、心理学的に3つの要因で構成されています。それが、つながり、信頼、接触です。すなわち、学習は他者との関係性で形成され、その効果がもたらされます。 そして、学習支援者が学習のロールモデルになり、学習者のモチベーションを高めます。 無料塾での学習には、自宅学習にはないそんな効果が期待できます。

2021年9月26日日曜日

ココロの言葉(198) いまの若者は、態度がなっていない。 古代エジプトの古文書より 思春期は、古今東西で、疾風怒濤の畤期と言われます。大人社会に対して反抗的になる傾向があります。時には、逸脱して問題行動をすることがあります。 そんなとき、周囲の大人ができることは、成長を見守る眼差しと適切なサポートです。思春期の問題に効く「特効薬」はありませんが、それでも効果的な方法があります。そのひとつが学習支援です。問題行動の解消にとても役立ちます。

2021年9月19日日曜日

ココロの言葉(197) 「頑張って」といわれても困ってしまう。 いまこれだけ頑張っているのに、 これ以上なにを頑張ればいいのか。 ある中学生のつぶやき 大人の善意からの励ましが、子どもに困惑をもたらすことがよくあります。 学習支援の場でもよく使われるフレーズが「頑張って」です。そこで支援者が注意しなければならない点があります。 それは、なにをどう頑張るかを明確に伝えることです。学習支援につながる具体的なやり方を提示することが大切になります。

2021年9月12日日曜日

ココロの言葉(196) 人生とは、あなたの勇気に比例して、 大きくもなれば、小さくにもなる。 作家 アナイン・ニン 米国の社会研究で、ボランティアで子どもを教えたら、どんなことが起きるかを調査しました。「チューター・プログラム」といいます。その結果、このボランティア活動に参加した成人男性は、参加しなかった対照群に比べて、脳の老化が3年分、逆に戻っていることがわかりました。記憶力も増加していました。 これは、学習支援という活動の注目すべき成果を示しています。もちろん、支援を受けた子どもの成績が向上したことは言うまでもありません。

2021年9月5日日曜日

ココロの言葉(195) 自由がある場で、さまざまな年代と才能をもつ子どもたちが、 混じり合ったコミュニティ(集団)の中で、 コーチやプレイリーダーたちが支援すれば、 子どもは、もっともよく学ぶことができる。 教育学者 ピーター・グレイ 公の学校教育では、実践ができていない子どもへの教育支援が、いま求められています。その一つが、地域コミュニティでのさまざまな子どもたちが集まって、自由に活動できる空間で、学校での学年制を越えた学びの場です。 このような場と空間は、そのまま地域の活性化になり、住民にとっても生活しやすい町を作ることにつながるでしょう

2021年8月29日日曜日

ココロの言葉(194) 問うべきは、どうやって他者をやる気にさせるかではなく、 どうすれば、人がやる気になる社会を形成できるかだ。 心理学者 エドワード・デシ 最新の研究から、内なる動機付けが、個人の能力はもちろん、企業の生産力も向上させることがわかってきました。すなわち、人間の能力を高め、社会をよりよくするのは、アメとムチによる賞罰の方法ではなく、「そうしたいからする」という自主的なやる気(モチベーション)を生み出す環境であるということです。これこそが、学習支援の真髄といえるものでしょう。

2021年8月22日日曜日

ココロの言葉(193) 問うべきは、子どもは自由をうまく扱うことができるか、ではない。 私たちは、子どもに自由を与える勇気があるか、である。 歴史家 ルトガー・ブレグマン(1988年オランダ生まれ) 「人間の本質は、善である」ことを論じ、現在世界46カ国でベストセラーになっている『希望の歴史』の中の言葉です。ブラック校則が問題になっている日本の学校教育で、まさに急を要する問いです。 いま、子どもたちの健全な成長に求められているのは、自由意思を縛る規則ではなく、子どもの善性を信じて任せる大人の勇気ではないでしょうか。

2021年8月15日日曜日

ココロの言葉(192) 意図的に環境を整えることは、 最高のパフォーマンスを引き出すのに不可欠だ。 心理学者 チクセンミハイ博士 私たちの意識は、周囲にあるものに、適応しようとする性質があります。それゆえ、 学習効果を最大限に高めるのに、学習環境を整えることが大切になってきます。同じ学習をしても、環境次第でその効果が違ってくるということです。子どもたちのやる気と能力を最適化する環境をつくっていきたいと思います。

2021年8月8日日曜日

ココロの言葉(191) 教育とは、学校で習ったことを忘れたときに、 まだ残っているもののことだ。 アインシュタイン(1879-1955) コロナ禍によって、学校での子どもたちの活動がかなり制限されています。 本来、その制限された活動の中に、子どもたちが学ぶ重要な意味と実践があるのかもしれません。アインシュタインがいう「まだ残っているもの」なのでしょう。

2021年8月2日月曜日

ココロの言葉(190) たのしむということは、 今日明日できることではない。 小説家 田口ランディ コロナ禍の閉塞感も影響して、現代人は「たのしむ」という感覚が鈍っていると田口氏はいう。「たのしい」という思いを積み上げていくことが必要だと。それは、生活の中で楽しいことを見つける一種の宝探しのようなものだといいます。 学びについても全く同じことが言えます。学習することの楽しさを見つけ、積み上げていくことが必要で、学習支援の核となっているものでしょう。

2021年7月25日日曜日

ココロの言葉(189) 多次元的な人々との「つながり」の確かさ、豊かさ、 その関わりの部分をクリアにすれば、 多くの子どもが学びを促進していける。 大阪大学 志水宏吉 全国5800人を対象にした調査で、人間関係の豊かさと子どもの学力には、相関関係があることがわりました。すなわち、人と人とのつながりが高い子どもは、学校での学力が高いという結果です。 コロナ禍による人間関係の疎遠状況で、いま大事にしなければならないことは、つながりであることを教えてくれます。

2021年7月18日日曜日

ココロの言葉(188) 心が死ぬということは、 なんの気力も持てず、抜け殻のようになること。 そこから抜け出すことはむずかしい。  それがコロナ禍で無数に起きていること。 認定NPO法人若者支援代表 今井紀明 いま、コロナ禍の影響で、困っているのに支援を求められない若者が増えていると、神戸で若者支援活動をしている今井さんは言います。すべてが自己責任にされ、人に相談し、助けを求めてはいけないと、多くの若者が社会的に刷り込まれていると―。  この心理は、中学高校生の学習姿勢にもみられます。学習でわからないときは、気軽に支援を求めれば、すぐに解決し、学習が楽しくなるのに、それができない子どもたちがたくさんいます。そんな子どもたちへの手助けが、無料塾の役割の一つになっています。

2021年7月12日月曜日

ココロの言葉(187) アイヌには、人が人を教えるという倫理観がない。 人と人が互いに刺激しあって、 お互いが感じあって、 自らの哲学(生き方)を構築していく。 アイヌ民族 アトウイ長老 伝統的なアイヌ文化では、だれかが「教える」という文化がないという。 お互いがそれぞれの価値観を尊重し、感じあうことが大切で、それによって、 「人間らしくある人間」になっていく。それが人生の仕事であると―。 そんな学習支援でありたいものです。

2021年7月4日日曜日

ココロの言葉(186) 成功は最終目的ではない。 失敗は致命的ではない。 大事なのは、継続する勇気だ。 ウイストン・チャーチル(1874-1965) これまで40年間にわたって、多くの子どもたちと学校でかかわってきました。 その中で明らかに成長していった子どもたちがいます。 その特徴は、チャーチルがいっている「やり続ける勇気」です。無料塾では、子どもたちの「学び続ける力」を支援し続けていきたいと思います。

2021年6月27日日曜日

ココロの言葉(185) 人生は、挑戦するか、なにもしないか、 そのどちらかだ。 ヘレン・ケラー(1880-1968)教育者 最新の認知科学の研究によると、私たちは、自分の能力を低く見て、自己抑制する傾向があることがわかってきました。その抑制のブレーキをオフにして、本来持っている能力を開花させるのが学習です。受け身の学習ではなく、自主的に学びたいという気持ちが、子どもに内在するそのスイッチをオンにしてくれます。そんな学習支援が求められています。

2021年6月20日日曜日

ココロの言葉(186) コロナにより子どもにストレスがかかる状況が長期化してきており、 安心できる居場所が必要だ。 国立成育医療センター医師 半谷まゆみ コロナ下の環境により、子どもの自宅での学習時間が増えていますが、今年4月の全国調査(個別学習舎)によると、「自宅だと集中力が続かない」という意見が49%で、半数の子どもたちが自宅学習にストレスを感じています。いま地域で、子どもたちがつながる居場所と学習支援が求められていることを示す貴重なデータです。

2021年6月14日月曜日

ココロの言葉(183) 私たちの脳は、知っていることしか認識しない。 過去の記憶から認識されている。 記憶にないもの、知らないものは認識されない。 最新の認知科学の知見 子どもたちへの学習支援の目的は、単に教科書の知識を伝えることではありません。 その本来の目的は、いままで知らなかったことを認識し、視野を広げることにあります。 そして、その新しい認識が、人生の質をよりよくしていくことにつながります。そんな学びの支援をしていきたいと思います。

2021年6月7日月曜日

コロの言葉(182) 身体の中でも、より指導権が強いのが、 頭部より下―自分で動かしやすい手足になる。 学術誌「サイエンス」論文 ヘブライ大学研究 頭では勉強しなければいけないと思っていても、やる気になれないことがよくあります。そんなときに、この研究成果が役立ちます。自分の身体をその気にさせることで、脳もその気になるということです。 例えば、ガッツポーズです。「ガッツ」とは、英語でお腹(腸)を意味します。無料塾ココロでは、この原理を子どもの学習支援にセルフコントロールとして活用しています。

2021年5月30日日曜日

ココロの言葉(181) 健全な「コントロール感」は、 私たち大人が、子どもに望むほとんどすべてのこと、 身体と心の健康、学業の成功、幸福に関連していることがわかった。 『セルフ・ドリブン・チャイルド』より 「コントロール感」とは、自分のことは自分でコントロールできるという感覚を意味します。このコントロール感を育てることが、子どもの健全な成長と幸福に重要であることが、最新の脳科学の研究からわかってきました。学習支援の視点で言えば、子ども自身が自主的にやる気を出して、自学自習する姿勢を支援するということになります。

2021年5月23日日曜日

ココロの言葉(180) 現代はさまざまな文化や社会で暮らす人々が国境を越えて行き交う時代である。 だからこそ、自分よがりな解釈を避け、常識を疑うこと、 なにより自分を相手の立場に置き換えて考える視点が重要である。 山極寿一(霊長類学者) 今回の言葉は、中学3年生の国語教科書(光村図書)に掲載されている『作られた「物語」を超えて』からの引用です。いま私たちは、何のために学ぶのか? その答えを考えるためのヒントが書かれています。子どもたちの学習支援をする上でも役立つメッセージが含まれているように思います。

2021年5月16日日曜日

ココロの言葉(179) インテリジェント・アスリートとは、 自分で考え、質の高い行動ができる 知性と品格を持った選手のこと。 インテリジェント・アスリートの定義 スポーツ界でいま求められているのが、インテリジェント・アスリ-トであるとすれば、 学校教育に求められているのは、「インテリジェント・スチューデント」でしょう。 自ら学び、成長できる生徒・学生を育てることです。すなわち、自学自習できる子どもたちの育成です。そのために、子どもが現在いるところから行きたいところまで送り届けるコーチングの技法が役立ちます。*「コーチ」の語源は、四輪馬車

2021年5月9日日曜日

ココロの言葉(178) 「出会ってよかった」と子どもに思ってもらえる 大人になる努力をそれぞれの現場でしていただきたい。 一般社団法人女子高生サポートセンター「コラボ」 仁藤夢乃 中高校世代の10代女性を支える活動をしている団体の代表の仁藤さんの言葉です。この団体では、困難を抱える少女が、社会の搾取や暴力にいきつくことなく、安全で安心できる生活ができる支援をしています。 十代の思春期の子どもにとって同世代の仲間との関係はもちろん大事ですが、同時に信頼できる大人との関係は、その後の人生に大きな影響を与えます。そんな大人の存在が、激変の時代で子どもたちから求められています。

2021年5月2日日曜日

ココロの言葉(177) 現代は、「破壊」と「創造」が同時進行で起こっている大きな転換期です。 社会課題の解決を千歳一隅のチャンスと捉えるか。それとも変化できないまま時代に取り残されるか。我々はいま重大な岐路に立っています。 国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問 末吉竹ニ郎 学校教育も当然、いま大きな転換期のただ中にいます。戦後最大の教育改革が必要とされています。古い教育システムの破壊と新しい教育システムの創造が求められています。なにが課題で、どう変革していくべきか? それは、当事者である子どもたちが教えてくれるでしょう。

2021年4月25日日曜日

ココロの言葉(176) ものごとへの考え方が、選手の行動に影響を与え、 行動変容が起こることによって、選手のパフォーマンスが向上すること。 パフォーマンス・ビヘイビア理論 このコーチングの理論は、世界のトップアスリートの育成に使われている最新のスポーツ理論です。自分で考え、質の高い行動ができる知性と人格をもつ選手を育てることを目指しています。そのような選手は「インテリジェント・アスリート」と呼ばれます。 この理論の学校教育での応用が期待されています。すなわち、自学自習して自己成長する子どもたちである「インテリジェント・スチューデント」の育成です。激変する現代社会で、いまインテリジェントな人材が求められています。

2021年4月18日日曜日

ココロの言葉(175) 人は誰かに見られていると、 自分一人のときよりも、パフォーマンスが向上する。 オーディエンス(観衆)効果 この法則は、学習効率を高めるために活用できる社会心理学の知見です。静かな個室で自分一人で勉強するよりも、周囲に誰かがいて、自然音や少しわざつい生活音(70デシベル程度)があった方が、学習効果が高まることが実験で証明されています。 無料塾では、そんな学習環境を子どもたちに提供していきたいものです。

2021年4月11日日曜日

ココロの言葉(174) 人間は誰でもはかりしれない能力を持っているが、 その持てる能力を存分に活かしきれるのは、 限られた少数のものである。 心理学者 ウイリアム・ジェイムズ(1842-1910) 私たちは、何のために学ぶのか? この本質的な問いには、古今東西の社会でその時代に合ったさまざまな回答がなされてきましたが、そのひとつがこの言葉に示されています。それは、私たちが生まれながらに持っている能力を向上させるということです。学びはそれに役立ちます。そのことを古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、「産婆術」と表現しました。そんな学習支援でありたいものです。

2021年4月4日日曜日

ココロの言葉(173) 教育とは、子どもの可能性を実現していくのを助けることである。 教育の反対が、洗脳である。 エリッヒ・フロム(1900-1980) 20世紀を代表する社会心理学者フロムが、晩年の著書『愛するということ』で語った言葉です。そして、私たちは、子どもたちに知識を教えているが、人間が成熟するために必要な教えを授けていないと忠告しています。 21世紀のいま、何のための教育なのかが問われています。

2021年3月27日土曜日

ココロの言葉(172) ドグマの罠に捕まらないように、 ドグマは他人の考えの結果である。 自分の直感に従いなさい。 自分が本当にしたいことを直感はわかっている。 スティーブ・ジョッブズ アップルの創始者の有名な名言「Stay hungry, stay foolish」で伝えようとしたメッセージです。ここでいう「ドグマ」とは、世間の信条や常識を意味しています。そんなものに縛られないで、未知なるものを渇望し、心を自由にしようと訴えています。日本の学校教育に閉塞感を感じている子どもたちに届けたい言葉です。

2021年3月21日日曜日

ココロの言葉(171) 昔、PTAはさまざまな番組を子どもたちの教育に悪い「俗悪番組」にしていたけど、 今や、人口知能や破壊的なイノベーションの時代に間違った学力観を 子どもたちに植えつけ、小さく前に倣えという評定関数の人質にするという意味で、 「東大王」が出るクイズ番組を「俗悪番組」に指定すべきだと思う。 脳科学者 茂木健一郎 茂木氏がやり玉に挙げているクイズ番組「東大王」は、現在民放でゴールデンタイムに放映されている人気番組です。東大生が出演してクイズ形式で既成の知識の正解を競い合い、情報量が多い方が勝つ(「頭がいい」)という構成になっています。 AIが発達したこれからの時代は、従来のように知識を記憶することが学びの中心ではなく、それをいかに創造的に使えるかが問われています。「クイズ脳」が必要な時代はすでに終わっていると言えます。新たな学びの探究が求められています。

2021年3月14日日曜日

ココロの言葉(170) 昨日と同じように教えれば、 生徒たちの明日を奪うことになる。 デューイ(1859-1952) 日本の戦後の学校教育に大きな影響を与えた教育哲学者であり心理学者の言葉です。 プラグマティズムの視点から、学校の主体は生徒であり、知識はよりよく生きるための手段であると説きました。 日々、子どもたちは変わっています。マンネリ化した現状維持だけのやり方ではうまくいきません。 そんなときに、教育に携わるものは常に、だれのために、なんのために教えているのかを再考することが求められています。

2021年3月7日日曜日

ココロの言葉(169) 新型コロナによる混乱が続いた2020年、 自ら命を絶った児童生徒は500人近く(暫定値)に上り、 過去最多となった。 2021年3月7日 朝日新聞 自殺研究の知見では、実際の自殺者の十倍が、自殺未遂の経験があるとされます。ホルモン分泌の影響で感情の起伏が激しい思春期の子どもは、さらにこの傾向が推定されます。そこで学校は何かできるかが問われています。 自殺防止のキーワードは「相談力」です。身近な信頼できる他者に支援を求める力です。それができる教育環境がいま求められています。

2021年2月27日土曜日

ココロの言葉(168) 診察場面の子どもたちは、感染自体よりも、 むしろ、新しい生活様式に適応していない大人や社会に 困惑しているように感じる。 神谷俊介(北里大学地域児童精神科医療学) コロナ禍により、子どもたちにさまざまな影響が出ています。そのひとつが、いのちの危機を知らせる「炭鉱のカナリヤ」としての子どもが感じている不安です。刻々と変化する社会に対して、安心できる学習環境を構築することがいま求められています。それが、子どもたちの心の回復と健全な成長につながっていくでしょう。

2021年2月21日日曜日

ココロの言葉(167) 身の回りのあらゆることは、 私たちの思考が創り上げたものだ。 ムハマド・ユヌス博士 2006年ノーベル平和賞を受賞したユヌス氏の若者へのメッセージです。 現代の認知科学の知見では、私たちの物の見方が現実を形成しているといいます。 すなわち、現実とは、私たちが認知した世界であるとー。 そして、ユヌス氏は「できるだけ突拍子もないアイデアを思い描いて欲しい」と若者たちに訴えています。(「ビッグ・イッシュー」2021.2.15より)

2021年2月14日日曜日

ココロの言葉(166) オンラインは情報を共有するためには効率的で大変便利な手段だが、 頼りすぎると、私たちが生きる力を得てきた文化の力が損なわれる。 山極寿一(霊長類学者) コロナ禍でいま学校教育に問われていることの一つが、オンライン授業ではできないことは何かでしょう。従来の知識伝達中心の授業は、ほとんどが効率的にオンラインで可能です。それではできないことのひとつが社交の場でしょう。文化の力を培う同世代の社会的交流の場としての学校が、今後の大きな教育的な役割になっていくでしょう。

2021年2月7日日曜日

ココロの言葉(165) コロナ禍の学校経営は、 ストレスマネジメントの優先順位を上げ、 「学びを止めない」以上に「つながりを断ち切らない」 ということを意識しながら、取り組むべきでしょう。 赤坂真二(上越教育大学)『教育動向2021』より 21世紀の学校教育の役割は、学習指導よりも子ども同士の人間関係のつながりに重点が置かれてくるでしょう。実際に子どもたち自身が、学校生活にそれを望んでいます。同世代の子どもたちが力動的な集団で日々リアルに共存することが、いかに心身の成長に有効かが明らかになってくるでしょう。無料塾もそんな場になればと思っています。

2021年1月31日日曜日

ココロの言葉(164) これからの学校は、これまで以上に子どもたちの 「学びたい!やりたい!」という気持ちを大事にしたもの、 モチベーション・オリエンテッドな学び、アダプティブな学び(個別最適な学び) が実現されるような学校が求められるでしょう。 平川理恵(広島県教育委員会教育長) コロナ禍の影響によって、学校教育が大きく変わろうとしています。 特に今後、学校はなにをするところなのかが問われています。 平川氏は、自己認識、自己表現、自己実現の場であると―。

2021年1月24日日曜日

ココロの言葉(163) 私たちは相手をまねることで学ぶ。 子どもは大人がしているようにする。 大人が「しなさい」と言われたようにではなく。 アンデシュ・ハンセン(精神医学者) いま世界中でベストセラーとなっている『スマホ脳』の作者であるハンセン氏は、 子どもに対する大人へのアドバイスで、「よい手本になろう」と訴えています。それこそが人類史上、急激にライフスタイルが変化した時代を生きる子どもたちへの最適な教育法であると。

2021年1月17日日曜日

ココロの言葉(162) 対面授業では、周囲の学生や教員から 有名無形の様々な支援配慮をもらえます。 菊池哲平(熊本大・教育学者) コロナ禍で、いま全国の学校でオンライン授業が普及していますが、その影響でリアルな対面授業の教育的価値が浮き彫りになってきました。そのひとつがリアルな現場でしか得られないお互いのコミュニケーションです。リアルな人間関係が学習に多大な効果があることがわかってきました。これは学校教育の核となっている要因でしょう。

2021年1月10日日曜日

ココロの言葉(161) リビング学習:個室で学習するよりも、居間でする方が学習効率が高いという説。 自宅の個部屋よりも、共有スペースのリビングルームでの勉強の方が、学習がはかどるという説ですが、その理由はよくわかっていません。恐らく、因果関係ではなくあくまで相関関係ですが、個別学習と協同学習の中間の場として、記憶に関連する脳の活性化に関係しているのではないかと考えられます。無料塾での学習の場が、そんな空間でありますように。

2021年1月3日日曜日

ココロの言葉(160) 「自分のため」だけにやっていくことの空虚さに気づき、 「人のため」に何かできることはないかと考えることは、 とても健全なことだと思います。 ミュージシャン 米津玄師 この言葉は、2021年元旦の朝日新聞でのインタビュー記事の中で、米津玄師さんが新曲「カナリヤ」を創作するときに思ったことです。さらに「結局、自分を構成しているものは、他者からもらったものにたどりつくんですね」と語っています。新年にあたって、学習支援の意義を考えさせられる言葉です。